フォサティはオーボエとその一族の機能と性能、寿命など、さまざまな方面のアイデアを、各々適するモデルに新機能として盛り込んでいます。
全てに採用しないのには訳があります。プレイヤーが必要としない機能を載せた楽器を選ぶことは、その後の調整整備の手間が不必要に増やされることになります。コストや安定性の面から、必要とされるべきシーンに使われることを意図されています。
●ダブルテノンリング:全機種採用 ジョイントインローのプラグ側のコルクを挟むように金属リングが配置されます。これは単についているだけでなく、ソケット側と摺り合わせられていますので、コルクに頼り切らずに楽器の組み上げ安定性を上げ気密を確かにし、鳴りをよく伝えることに成功しています。Tiery、Fossatiとも、全機種に採用されています。 |
●LowBアジャスタリンク:全機種採用 通常、左手プレートのHレバーの裏につけられた補助レバーを押し下げることで連動させるB-Hのからくりを、それぞれ独立させ、加減を調整出来るリンクを与えました。これにより、レバーが絡んで起きるだらだらした感触や閉じるタイミングのずれの為にBを安定して発し難い等を解消出来るようにします。 |
●左手キイリバースアジャスト:全てのSolisteモデルに採用 左手GとAのフタを閉じると、CとBのキイが自然に直接押し下げられます。この方式は動きに遊びを与えることを極力削減出来ますし、個別にそのバランスを調整出来ます。 またこの機構は、Gキイの開き加減を調整出来るように切り離されたものとなっています。これにより、Aの音程や音色を調律することが出来ます。 |
●エアラ・テノンキャップ:全てのSolisteモデルに採用 このキャップはただのジョイントコルクキャップではありません。キャップをつけることにより、リンケージを操り、上部管のDトリル、B、Cの各キイを浮かせることが出来ます。これは特にワントリルキーシステムのパッドを保護する為に作られています。 |
●ワン・トリルキー::全てのSolisteモデルに採用 オーボエの上部管は孔が密集している為、どうしても孔伝いに割れが走り易く、孔そのものが割れを誘発するものでもあるので常に心配を集めています。孔の数を減らしてやればその可能性を少しでも少なくできると考えたフォサティは、長い研究の末、孔を一個減らす技術に到達しました。全てのモデルに採用出来ますが、パッドの交換作業が特殊になる為サービス不行届きになる可能性があり、Solisteモデルのみに搭載します。 |
●第二オクターブ・ストップ:全てのセミオートArtisteとSolisteモデルに採用 第二オクターブキイの動作を制限させることで、第一オクターブキイのパッドに掛かる負荷をなくし、パッド寿命を伸ばします。 |
●Philadelphiaシステム:Solisteモデルオーボエ・オーボエダモーレに採用 high D発音の際、lowCキイを閉じることでEとDのフタを閉じる機能です。より簡単にHighDに達することが出来ます。 |
●ロジウムメッキ:Artiste 、Soliste全機種に施工 1803年、ロンドンのウォラストンにより発見されたRhodium (Rh)は世界に3トンしかないといわれるレアメタルです。主に酸化と摩滅の防止に使用されています。 御要望により全ての機種に施すことが出来ます。 |