Q:楽器を買い替えたい...

A:
 飽きちゃいましたか。

バイオリンは買い替えたら良く鳴るものではありません。大方勘違いです。しつこいようですがお手入れ、特に調整で音を立ててあげる必要が絶対あります。薄汚れてしまった、あちこち塗りが剥がれてしまったというのも、掃除で落とさなければならない松脂の汚れ等は調整の時に普通落として貰えます。剥がれた塗りは、上塗りして保護性能を回復していきますが、これは普通出来立ての時のようにツルツルピッカンにはしないものです。無理なのと、さらに、やっぱりバイオリンは古臭くなっているものの方が数が多いしかっこいいからなんです。

バイオリンは、寿命が今のところハッキリしませんから、何年使ったからどうなったから買い替える、という規準がありません。

コンクールや、リサイタル、時にはテレビ出演なんかがあって、世間負けしない楽器が欲しいというのは「特別な需要」ですので、適否を誰も指南出来ません。メンタルな問題ですので、経済的に破綻しない範囲で何とか頑張って頂く他ありません。

という訳ですので、バイオリンは余り買い替えストレスを大きく育てない方が良いと思います。

先生に付いて習っている場合は別として、教育や活動の現場的に、その他の楽器のことを見てみますと、昔買い求めた楽器を使っていたり、特に誰かから借りたり学校の楽器を使っていたりした人が、ひとたび楽器を買うと、何故か直ぐに罷めてしまうか、罷めざるを得ない状況に至ります。
楽器の買い換え、或いは自分の楽器を持ったことが節目になってしまう。
その後近いうちに復帰出来れば良いですが、半数以上、買った楽器を使う環境に戻ることはありません。
何十年か経って、改めてその楽器を使えそうなチャンスを見つけだしたとしても、楽器の保管状態が悪い例が多く、高価な「節目の楽器」が修理不能に近い状態になっていたり、するものです。

大体、素人音楽を楽しむ上で、1器目にのみこだわってしまうと、ことによっては皆同じ器目の楽器をもちよってしまうので、合奏を纏めるのが極めて難しくなります。こだわったり、心酔するあまり、音楽に必要なショウ要素の理解から遠退いてしまうことが、楽器を買うことだとしたらちょっと残念です。誰もが大枚を楽器に掛けられるものでもありませんから、単価を落として、経験を積んでおいて近付けそうな幾つかの器目に挑戦しておくのは建設的だと思います。

バイオリンをやる機会がない時の為に、フルートやクラリネット、サクソフォン、ハーモニカ、アコーディオン、ギターが出来るようにもなっておいたりすると、出番だけではなく音楽が意味として理解し易くなるでしょう。バイオリンは専ら高額系ですので、価格的に接近しているところでの狙い目はチューバ、オーボエ、ファゴットにフレンチホルン。上手くなれとは言えませんが、何時もはこれらが綺麗に金管迄の橋渡をしてくれるお陰で「安心して」演奏に専念出来るそれらを試すのも悪くないでしょう。
横手を出すのはなかなか不安ですが御町内バンド程度に音が出るようになる迄1年程ですので、生涯の宝ものが増えますから頑張ってみましょう。
他にもあります。フルートが演奏出来る人なら、しの笛がやれるようになっておくと出番が増やせます。何も遠出しなくても、町内会のお手伝いが出来ます。パーカス関係の人は鳴りもの全般一通り顔を出しましょう。何処で芽が出るか分かりません。
移調管楽器の人は油断なりません。買い替えている暇などないです。クラリネットをやる人なら、B管を買い替えるより、Es管やA管、バスクラリネットを買い足しておいたほうが、全体的に一生ものに出来るでしょう。サクソフォンなんて、ソプラノアルトテナーバリトン、「4つで一つの楽器」です。

アマチュアユースならどんな楽器も一生もの。音程がどうとか音色が何とかいってみたところで、それらは奏者が作るものなのですから、自分で楽器が鳴る感覚を作り出す方法に到達して使ってはじめて出来ることです。

いろんな楽器があった方が音楽は身近になります。

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