御愛用のピアノを生涯に渡って使用する...。決して現実離れした御希望では御座居ません。フルオーバーホールから、御予算に応じた実用再生迄、当店と契約工房にて最善・最良をアレンジし御提供申し上げます。
諸説ありますが、一般にピアノの寿命は30年と言われております。しかしながら、それはあくまで再販の為に流通することを鑑みてであって音のことではありません。ピアノの主な部材は殆どが木材ですが、楽器に用いられる材は、保存環境にもよりますが大抵の場合、年数を経ていた方がよりよい響きを得られます。また、ピアノは鋳物の構造物のお陰で楽器本体のストレスが非常に小さく、劣化が気にならない楽器です。そのため、古い楽器の長年熟成した良材の良さを、整備程度で利用出来る利点がありますし、幼い頃から、また先代から受け継ぎ慣れ親しんだ楽器を愛用することは、音楽本来の心に根ざす行いであり、むしろ推奨されるべきものとも思います。こうした理論的な理由に加え、何より、使い親しんだ楽器は、自身にとって最も出自が明らかな、信頼出来るものです。型グレードや売価に踊らされるのは人心の常ですが、長い付き合いの自分の楽器を信じることは、音楽のことに限らず求められて然るべきと感じています。
但し、メーカーの中で値下げの為に行われる数多の合理化は工房作業では適いません。全て高度な技術者による手作業なので、施工費はどうしても高くなりがちですが、古い楽器が生まれた時代と同じ手順工程なのですから致し方ないところです。
昔は、楽器作りにいろいろ不自由があった為、今にくらべるとかなり高価だったのです。しかし、良材を選ぶことに関しては今よりずっと自由でした。今はその頃に比べれば安いのですが、良材は皆無と言って良い程少なくなりました。安く売らなければならない分、合理化される箇所も増えています。昭和40年代前半の50万というと、今では中堅熟練労働者の年収ですが、今のアップライトピアノの最高機種は、1回のボーナス額に足らない可能性がある程安価です。
安価と言えば、時代的に発展したデジタル楽器、特にデジタルピアノは完成の域に達して久しいです。しかし、サンプルされている音源が必ず万能と言う訳ではないことは、それなりに鍛えて来たピアニストには聞き取れるでしょう。特に倍音同士がぶつかりあうことを企図して描かれた大家のピアノ曲は、アコースティックな、不確実・不正確でかつ官能的な響きによって再現されうるものでしょう。
アコースティックサウンドは、ピアノのみならず、楽器毎に個性際立つ音色声色として現れます。ひとつの楽器の音色とて全て操縦することは不可能ですが、愛用の楽器なら、愛用の音色が身についているもので、それで彩る音楽の楽しみは格別なものです。
そういう私自身、曾て幾つか大きな楽器を処分しており、後に、あの頃は楽しかった...あの楽器が今あればなあ..と、悔やんだ覚えがあります。後にまた求めれば良いのかも知れませんが、なかなかそうは出来ないのは、失ったその楽器が、それだけ掛け替えのないものだったからだと感じます。
古く、傷付いてくすんだ我が家のピアノ...でも、お求めになったその昔、安いお買い物でしたか?。自分も弾くなら兎も角、多くは自分が使う訳ではないのに、○×月販の長期の割賦に大変な工面をしたり、家の補修や車の買い換えを何年も我慢したり、御自身の趣味を幾つか畳まれた方にとっては・・・。
他にもいろいろな思い出がつまっている夢の玉手箱。それはきっとお宅のピアノです。お子様に、お孫さんに、玉手箱を受け継いでいきましょう。決して額面的価値はなくても、意味と、意義を持って伝えられるのは御家族だけでしょう。工房は、18世紀の作品の再生も手掛ける豊かな経験と知識を作業に反映します。新品ピアノに近付く費用が要求されることもありますが、あなたの為のあなたの楽器があなたに向けて生き返り、またあなたと共に歩みます。
今こそモノよりコトが映える時代です。是非、御検討下さい。
ピアノレストア工程価格表
工房作業には別途運送料金が、出張作業には出張料金が掛かります。税別です。
項目 | グランド (GP1-3サイズ | アップライト |
張弦 | 200000円 以下は追加にて: デーゲン社製銅線 15000円 レンナーニス使用 10000円 ビーネピン使用 15000円 |
160000円 |
アグラフ交換 | 45000円 | ---------- |
ハンマー交換 | 230000円 レンナー・アベル材同一料金 |
110000円 |
ダンパーフェルト交換 | 53000円 | 40000円 レバー交換含む 75000円 |
ブッシングクロス交換 | 45000円(レンナークロス) | 45000円 |
小口貼り替え | 8000円 | 8000円 |
白鍵盤貼り替え(アクリル) | 25000円 象牙旧材使用 150000円 |
25000円 |
黒鍵盤貼り替え(黒檀) | 70000円 | -------- |
バックチェック交換 | 45000円 | -------- |
バックレール交換 | 7000円 | 5000円 |
レギュレーティングボタンクロス | 23000円(ヤマハ製) | 15000円 |
ペダルボックス調整 | 15000円 | -------- |
2ペダル => 3ペダル変更 | 180000円 (ペダルメーカーはお任せにて) |
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ハンマーストップフェルト | 15000円(ヤマハ製) | 8000円 |
ウィペン再生 | 140000円 | 90000円 |
整調 | 150000円 調律、鉛ウェイト調整含む |
35000円 |
外装仕上げ基本料金 (黒ポリエステル塗装の場合 (状態により増額となります |
45000円(研磨剤 75000円(バフ研摩 120000円(傷埋め仕上げ |
35000円(研磨剤 45000円(バフ研摩 75000円(傷埋め仕上げ |
サイレント装置取付 | -------- | 190000円(コルグ製 200000円(スピーカーつき |
到着調律(出張費別 | 16000円 | 12000円 |
- フルコンサート・セミコンサートグランドピアノは別途見積になる項目があります。
- 御指定の御予算の範囲内で、最良の整備を提供させて頂くお任せパッケージの御用意もありますので御相談下さい。
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238-0225 |
TEL 046-881-0448
/ FAX 0449 Car Cellular 090-313-79952 |